ちびっ子のゼイゼイ、ゼコゼコ~急性細気管支炎
細気管支炎は、2歳未満の乳幼児にRSウイルスなどのウイルスが感染して、発熱や鼻水とともにゼイゼイ、ゼコゼコと息苦しくなる感染症です。
原因で最も多いものはRSウイルスで、冬に感染することが多いです。その他にもパラインフルエンザウイルスゆメタニューモウイルスなど様々なウイルスで発症します。
症状は鼻水や咳、発熱のかぜ症状からはじまり、徐々にゼイゼイする喘鳴や、鼻水や痰によるゼコゼコといった咳を認めるようになります。子どもは息苦しいため、機嫌が悪い、哺乳が減る、顔色が悪くなる、など症状がエスカレートしていきます。
診断は、原則、症状をみて判断します。RSウイルスやメタニューモウイルスはウイルス迅速キットがあり、陽性の場合は診断を確かなものにします。息苦しさを判断するために「パルスオキシメーター」で血中酸素濃度を確認したり、胸のレントゲン撮影をすることもあります。
治療として、ウイルスに対する治療は原則ありませんので、風邪の症状を抑える薬を処方し、慎重に治療を進めます。鼻水を吸引したり、吸入療法で、症状を和らげることができます。生後6か月未満のお子様や、未熟児で生まれたお子様、また心臓病のあるお子様などは、細気管支炎が悪くなりやすいため注意する必要があります。体調不良や息苦しさが強い場合は、入院を勧める場合もありますので、お医者さんに相談をしながら治療をしましょう。
・急性細気管支炎には、以下の対応が必要です。
1.息が苦しそうな時は、体を起こしたり、抱っこしてあげてください。母乳やミルクは息が苦しいと飲みにくいため、1回量を少なくして、何回にも分けて与えてください。
2.鼻水が多い時には、鼻水をとってあげてください。
3.飲んだ量やおしっこの回数などお子様の容態をメモしておいてください。
4.体のきつさや息苦しさなど病状を見極めることが大事です。お医者さんに相談をしながら、みていくようにしましょう。
なお次に示す子どもたちは、RSウイルスに対する抗体製剤(シナジス)を定期的に注射するすることで、RSウイルス感染を予防できます。ご相談ください。
- 妊娠週数が28週以下で生まれた(12か月齢以下のお子様)
- 妊娠週数が29週〜35週で生まれた(6か月齢以下のお子様)
- 過去6か月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた(24か月齢以下のお子様)
- 先天性心疾患がある(24か月齢以下のお子様)
- 免疫不全がある(24か月齢以下のお子様)
- ダウン症候群(24か月齢以下のお子様)