新型コロナウイルス感染症への対策

2020年から世界に広がった新型コロナウイルス(COVID-19)感染症は、日本では第3波をむかえ、2月になって感染者は少し減少傾向にあるようです。しかし第3波の感染者は多く、現段階で死者数が増加しています(6071名、2020.02.03現在)。

なぜ感染者数が減っているのに、死者数が増えるのか?と思われる人もいるでしょう。そこで、あらためて症状について書きたいと思います。

初期症状はインフルエンザや感冒に似ています。発熱、咳、のどの痛みだけの症状です。ただ味や匂いに異常を感じる患者さんが、30%あることが分かっています。症状の経過が早いことも特徴です。症状がでてから病院を受診するまで約5日とされていますが、その後7日目には入院する場合がみられます。さらに重症となって集中治療室(ICU)に搬送される場合は、早くて10日目ともいわれており、受診してから悪くなる印象です。

しかし全員が重症化するわけではありません。約80%は、風邪症状や味覚の異常だけで治癒します。呼吸困難や咳、痰の肺炎症状で入院する人が20%です。集中治療が必要になる方は約5%、そのなかでも命にかかわる病態になる方は1~2%です。(新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き第2版より引用)

感染者が増えれば、その1~2%は危険な状態になるわけですので、第3波のように感染者が増えれば、発症後10日以降に重症化し、治療を行っても亡くなる患者が2~4週後に出てきます。つまり感染者数が減っている現在であっても、数週間〜1ヶ月の時間差で死者数が増えるわけです。

ところで、2020年12月から第3波を迎えた原因は多々あると思います。そのうちの一つは「新型コロナウイルス感染症にかかっても死なないじゃん!」といった気のゆるみは、きっとあります。第1波では死亡する恐怖を感じていたはずなのに、今はどうですか?

皆さんが、マスクや手洗いなど予防策もしっかり行っていることは事実だと思います。そのうえで、日常生活を保ちながらも、感染を予防するためにはどうするか?専門家は様々な提案をしてくれています。ここで、私が日ごろから思っていることをピッタリ説明してくれている資料を紹介します。諏訪中央病院の総合診療科、玉井道裕先生が作成した新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書(誰かの物語編)をご覧ください。その中に、広げてほしい言葉があります。

「一緒に住んでいる人以外の人と食事をしないで下さい!!」

年末年始は、会食が原因で感染者数が増えているといわれております。まだまだ気を許せない状況です。緊急事態宣言では、多くの飲食店が時短営業や休業を余儀なくされています。ランチは同僚や友人と会食をせず、一人で食べて感染を予防する必要があります。飲食店を悪者にしないため、また自身や家族の感染を予防するためにも、この対策が絶対だと思います。