子どもと漢方薬

漢方薬は漢方医学に基づいて処方される医薬品で、自然界に存在する植物や動物、鉱物などの薬効となる部分である生薬を、2つ以上組み合わせた薬のことを言います。よく西洋医学が漢方医学の対義語として使われますが、漢方薬も薬という意味では同じで、薬効も副作用もある薬です。

個人的な印象では、効能が緩やかで、重い病気ではないけれど、体調が悪く生じた状態、もしくは自分の力で改善できる状態を、良い方向に導く薬と思っています。

子どもでも漢方薬を使って治療することがあります。しかし漢方薬は決しておいしいものではなく、量も多いので、子どもでは「飲ませ方」が一番の問題となります。乳児期には比較的飲ませやすいのですが、2~5歳は味覚に敏感で拒否されることが多いようです。6歳以降で服薬の必要性を理解すれば内服してくれることもあります。

実際に薬の飲みやすさも違います。小建中湯や甘麦大棗湯のように飲みやすい漢方もあれば、飲みにくい漢方もあります。

坂崎弘美先生の「フローチャート こども漢方薬 びっくり・おいしい飲ませ方」を参考に、漢方薬をスムーズに内服する方法をまとめてみました。

①ペースト状にする: 漢方薬をごく少量の水やぬるま湯でペースト状にし、口の内側に塗り付けて、すぐに飲み物を与える方法です。乳児にはこれで内服させることができます。

②お湯で飲ませる:そのまま飲むときも、ぬるま湯で内服すると溶けやすく、味がマイルドになります。また20~30mlのお湯に溶かして、さらに水やお湯で調整して飲むやり方があり、これは本来の漢方の飲み方のようです。

③錠剤で飲ませる:4歳以上になると錠剤を内服できる子がいます。上手に錠剤が飲めれば、苦みを感じることはありません。

④味を調節して飲ませる:甘いもの(メープルシロップ、練乳、1歳以上ははちみつ)、乳児の便秘薬であるマルツエキス、アイスクリーム、ヨーグルト、ココア、ジュース(リンゴ、ぶどう、カルピス)、ジャムなどと一緒に飲む方法があります。最近は、お薬を飲むゼリーなどあり便利ですね。

いろんなやり方で試してみたらいかがでしょうか?