いろいろな症状の原因となります~アデノウイルス感染症

アデノウイルスは、のどの風邪(咽頭炎、扁桃炎)や結膜炎、胃腸炎、膀胱炎など、さまざまな症状の原因となるウイルスです。

ヒトに感染するアデノウイルスは51の型があり、唾を介する飛沫感染だけでなく、うんちを介しても感染します。それぞれで、症状や流行時期が違います。

①咽頭炎・扁桃炎:39~40℃の高熱が4~5日間続き、のども痛くなります。咽頭結膜熱(プール熱)として発症することも有名です。以前プールで感染したことで夏の流行が知られていますが、冬にもみられる感染症です。

②結膜炎:痛みを伴う角結膜炎や出血性結膜炎を発症します。夏に流行しやすい病気です。

③胃腸炎:乳幼児に多く、発熱、腹痛、嘔吐、下痢を発症します。2017年からのデータでは、5~6月、11~12月に流行のピークがあります。

④出血性膀胱炎:6~15歳の男児に多く、赤いおしっことおしっこをするときの痛みで発症します。流行はなく、1~2週間で治ります。

診断は、①~④の症状をみて診断します。検査は、血液検査やウイルス迅速キットを用いることがあります。ウイルス迅速キットは、咽頭炎・扁桃炎、結膜炎、胃腸炎で行うことができます。

治療は、アデノウイルスに効く薬はありません。そのため症状を抑える薬を使用しながら、全身状態をしっかりと見ていきます。

・アデノウイルス感染症には、以下の対応が必要です。

1.何日も高熱が続きますので、必要な解熱剤を使用しながら気をつけて経過をみましょう。発熱が続き、体がきつい場合はお医者さんを受診してください。

2.食欲がないときには、水分を十分にとらせてください。イオン飲料や、みそ汁やスープ、リンゴジュースなどをお勧めします。喉を痛がる時には、熱いものやすっぱいものなど刺激のあるものは避けましょう。飲んだ量やおしっこの回数などお子様の容態をメモしておいてください。おしっこの量が少ない場合は、お医者さんに相談してください。

3.家族への感染予防には、こまめな手洗いをして、タオルは共用しないでください。

4.登校・登園基準は、咽頭結膜熱(プール熱)では、熱が下がり結膜炎の症状がおさまってから、2日間は出席停止です。結膜炎だけの場合は、感染のおそれがなくなってから登校・登園ができます。