「こどもの便秘」について

うんちが出にくい状態を便秘と言います。こどもは自分で排便の管理ができないため、腹痛で便秘に気づいたり、赤ちゃんでは1日便が出ないだけで心配になったりします。

便秘は、正式には「慢性機能性便秘症」と言い表されます。つまり長い期間、消化器の動きが悪くてうんちがでない状態のことです。「小児慢性機能性便秘症 診療ガイドライン」に、次のような基準があります。「うちの子は便秘かな?」と心配になったときに、チェックしてみてください。

おうちでできる対応は、次のようなことがあります。

①生後6か月くらいまでは、まずは「綿棒浣腸による刺激」を行いましょう。綿棒の先に潤滑油(ワセリン、オリーブ油など)をつけ、反対の手で両足を持ち上げて、綿棒を先端の綿が隠れるまで挿入します。肛門の中で、大きく「の」の字を書くように回します。最初は固いですが、肛門を広げるように大きく回すと柔らかくなり、便意がでてきます。

②幼児では、がまんを繰り返すことで便秘になりがちです。うんちをがまんさせないように、決まった時間にトイレに座る習慣をつけます。本人が「したくない」と言っても、「うんちがでるといいね~」と遊びながらでもトイレに座っていきむことは大事です。洋式では足台を置いて前かがみにすると、いきみやすいです。また、朝ご飯を食べること、食物繊維、乳酸菌製品や水分をとること、体を動かすことなどの生活習慣の改善も役に立つでしょう。

このようなことを試みても便秘の症状が治らない場合は、治療が必要ですので相談してください。便秘は一時的な治療で良くなる場合から、治療を続けなければいけない場合などさまざまです。お子さんに合った治療を考えていきます。