季節のお話14〜嬉野の大茶樹

新茶の季節になりました.
クリニック予定地から西南へ,高速を使って45分ほどで嬉野の大茶樹に着きます.佐賀大和ICから入って嬉野IC で降りたら,山に向かって約10分.結構な山里で,鄙びたバス停も郷愁をそそります.



大茶樹は樹齢約350年,樹高4M,枝張12M.江戸初期に始まった本格的な嬉野茶栽培時の一木だと言われています.
栄西禅師が脊振山麓に茶の木を植えられてから随分経っています.お茶は佐賀で一休みしてすぐに京都栂尾へと去っていき,400年後に戻ってきたようです.

民衆に煎茶を広めたのは佐賀生まれの禅僧売茶翁.今でもお茶は嗜好品としても殺菌作用のある健康飲料としても親しまれていますね.

そもそも嬉野茶は,栄西禅師のお茶から200年ほど後に,明から移住した陶工が自家用として植樹したのが始まり.そして1500年代初頭に明の陶工朱氏が炒茶製法を伝えて,嬉野の釜炒り茶が誕生したのだそうです.普通の緑茶は蒸しますが,この釜炒り茶は炒ります.今では,釜炒り茶は嬉野茶の5%程の高級茶になっているとか.



お茶の開花期は10月.その頃また来て白い花と香りを鑑賞したいものです.

 (🦋)