ほっぺが赤くなるだけではない「りんご病」
両頬がリンゴのよう に赤くなる「りんご病」の正式の病名は「伝染性紅斑」と言って、パルボB19ウイルスによる感染症です。1983年に原因が分かった、比較的最近認識された感染症といえます。新型コロナが流行しています、2020年、2021年は下火ですが、年によって流行することがあります。夏と冬に多い傾向があります。
赤い斑点はやまだらな模様は、ほっぺだけではなく、太ももや腕にもみられます。熱は微熱程度がですが、腰痛や膝が痛むことがあり、年長児や大人では関節痛の訴えもみられます。皮疹が出始めたときには感染症は収束に向かっていると判断しますので、皮疹は改善の徴候といえます。基本的には、良好な経過をとる感染症です。
一方で注意すべき症状もあります。一時的に血小板(止血作用のある血球)が低下して皮膚にあざができることがあります。ごく稀に脳炎や心筋炎の報告もありますので、具合が悪い時には必ずお医者さんに相談してください。また大人にも感染します。時に妊婦さんに感染すると、赤ちゃんに問題を生じることがあり注意が必要です。
検査では、迅速検査はありませんので、症状や流行状況をみて診断します。血液検査では、IgM抗体といわれる初期抗体を測定することはできますが、結果には2~4日間必要です。パルボB19ウイルスに対する治療薬はありませんので、発熱や関節痛などの症状に対する治療などを行います。
・伝染性紅斑には、以下の対応が必要です。
1.皮疹があるときには、長いお風呂でかゆみが強くなる時があります。短時間にしてください。
2.1~2か月は、運動などで日光にあたると皮膚の赤みがぶり返すことがあります。
3.高熱がでたり、かゆみが強くなったり、元気がない時には、お医者さんに相談しましょう。
4.ほっぺや体の皮疹がでても全身状態がよければ、登園、登校はできます。