乳幼児の長引く発熱は川崎病かも?

川崎病は 4 歳以下の乳幼児に起きやすい、発熱を主体とした病気で、つぎの症状のうち、5症状以上を認める場合を、川崎病と診断します。

1. 発熱
2. 両眼の充血
3. くちびるが赤くなる、舌にぶつぶつができる、口の中が赤くなる
4. 皮膚が赤くなったり、ぶつぶつができる、またBCGの痕が赤くなる
5.手足の指が腫れたり、皮がむけたりする
6.首やわきの下、足の付け根のリンパ節が腫れる

川崎病の原因は不明で、何らかの血管炎が病態とされています。毎年2万人弱が発症する、決してまれな病気ではありません。発熱が続き、眼や皮膚の症状がでてくることで、診断することが多い病気です。
診断は6つの症状をみることと、血液検査で白血球やCRPといった炎症データが上昇します。これをすれば診断できるといった特殊なものはありません。
川崎病は感染症ではありませんので、人にうつりません。心臓の血管に血管瘤(血管にできる瘤)を作ることが最も重大な合併症で、この後遺症として、子どもにもかかわらず心筋梗塞を引き起こすことがあります。<
治療は入院の上、ガンマグロブリンの点滴や、ステロイド、アスピリン内服を行います。熱が下がらない場合は、インフリキシマブや血漿交換といった治療が必要になります。なるべく10日以内には治療を始めたほうが良いとい言われています。

川崎病の場合は、以下の対応が必要です。

1.熱が下がらず元気がない、また眼、くちびる、皮膚などの症状がある場合は、お医者さんに相談してください。
2.熱以外の症状がはっきりしない川崎病もありますので、熱が下がらない場合も用心してお医者さんに相談してください。
3.解熱剤は使用しても結構ですが、熱型表を作成して、熱の経過を教えてください。
4.治療のため入院し、ガンマグロブリンやインフリキシマブなど治療をした場合は、かかりつけ先生に教えてください。
5.熱が下がり、退院した後、体力が戻ってから登園、登校ができます。