10月1日からロタウイルス感染症予防接種が定期接種になります
写真のウイルスは新型コロナウイルスに見えますが、ロタウイルス(Nature Reviews Disease Primers volume 3, Article number: 17083 (2017) )です。
ロタウイルスは急性胃腸炎の原因で、0~6歳にかかりやすく、水様下痢、嘔吐、発熱を認めます。外来で点滴が必要な脱水症となりやすく、さらに悪いと入院する場合もあります。
以前からロタウイルスワクチンは任意接種ができましたが、令和2年10月1日から定期接種となります。このワクチンによって、ロタウイルス胃腸炎の入院患者を約70~90%減らすことができたと報告がありますし、接種に数万円必要であったことを考えると、経済的にも喜ばしいです。
ロタウイルスワクチンは2種類あり、いずれも赤ちゃんの時期に飲むワクチンです。ロタテック®は3回接種、ロタリックス®は2回接種です。どちらも効果は同じとされています。
初回接種は生後2か月から3か月と10日までに行います。その後4週間あけて追加接種をします。わかりやすい接種方法は、2ヶ月からのHibや肺炎球菌、B型肝炎ワクチンと同時に接種することだと思います。
ただし、一つだけ注意事項があります。それは、接種後1~2週間は「腸重積症」を発症することです。腸重積症は、腸の一部が自分の腸にはまり込んで、腹痛や血便を伴う病気です。そのため、以下の症状がある場合は、医療機関に相談をしてください。
□「突然はげしく泣く」
□「機嫌が良かったり不機嫌になったりを繰り返す」
□「嘔吐する」
□「血便がでる」
□「ぐったりして顔色が悪い」
ロタウイルスワクチンをきちんと理解して、気兼ねなくお医者さんに相談してもらえれば、適切な接種ができます。このワクチンをほとんどの子どもが接種することで、ロタウイルスの流行がなくなることを期待しています!!