自粛期間における癒しのひととき−5

新型コロナウイルス感染症では、9月のシルバーウィークの影響を心配しましたが、10月になっても九州の新規患者はさほど増えていません。本当に良い傾向だと思います。

ここでは自粛期間中に気分転換ができたエピソードを思い返しています。

今年の6月は夏の暑さ、梅雨の蒸し暑さ、そしてマスクの息苦しさが三重苦であったため、「三蜜を避けながら、どこかで涼みたい!」と思っていました。そこで週末のドライブついでに、小城の清水に足を運ぶことにしました。

ドライブ中も、フロントガラス越しの陽射しはジリジリと肌を刺してきます。そんな暑さにかかわらず、ふと目をやると小城祇園川そばの須賀神社では、清掃作業をされているではありませんか。地元の皆さんが150段ある急勾配の階段に箒をかけておられ、あの暑さで熱中症を心配するほどでした(お疲れさまでした)。

祇園川を越え、小城スマートICを越えると、緑が増えて気温が数度下がってきます。涼むために少し歩きたくて、清水下の観光駐車場に駐車しました。歩行者だけが通れる旧道を登ると、清水山見瀧寺宝地院の山門が見えてきます。上の駐車場は思ったより自動車が出入りしており、「アイスクリン」のリアカーもでて観光地となっていました。正直なところ、「しまった、皆考えることは同じで、涼みにきているのか~。三蜜だったらすぐに帰ろう」と思うくらいでした。

ところが山門をくぐると、清水観音まではほとんど人はいません。木漏れ陽と涼しい空気がただよっていました。お寺までの階段が急で、少しずつ息があがります。小学校2年生の時、幼なじみ子の家族とスケッチでこの地を訪れたことがあります。きれいな紅葉の時期で、赤や黄色を画用紙に塗った記憶があります。たしか当時はもっと速く登ることができた気がします。50歳手前では息が切れる落ちぶれようでありましたが、空気がきれいなせいか心地よい運動でした。

清水観音にお参りをして、一休み。お寺からみえる佐賀平野は広く、遠い先まで見渡すことができます。しかし有明海までは見えませんでした。市町村合併によって芦刈町は小城市となっているはずです。小城市を全部見渡すことができれば海がみえるはずです。「ここから海が見えないということは、小城市はこの眺望よりも広いのだ!」とふと気づいて、小城が豊かな土地であることに感じ入りました。

その後は下るだけなので、いざ!清水の滝に向かいます。下るごとに涼しさが増し、マイナスイオンを感じて、滝が近いことがわかります。駐車場を思い出し、人が多いかと心配していましたが、子供たちと親御さんが距離をとって涼んでいるくらいでした。雨が降った後のためか、水量も多く、涼しさもひとしおでした。ただ滝の中には防水服をきたお二人が清掃活動をされています。周りの方とのお話からは、どうも清水の滝が思った以上に汚れていることに気づいて、自主的に清掃をされているというのです。防水服ではありましたが、水に濡れるきつい仕事だと思います。こういう好意を、本当にありがたく感じました。

駐車場までの道は、紫陽花と緑の濃い夏草が道先へと誘ってくれます。

涼しさを求めて清水まできましたが、須賀神社や清水の滝で清掃をされていた方に頭が下がりました。ありがとうございました、またお疲れさまでした。