伝染性単核症ってどんな病気?

伝染性単核症は、喉や首のリンパ節が腫れて、発熱が1週間程度続く、小学生以上に見られやすい感染症です。原因は、主にEBウイルスですが、一部サイトメガロウイルス、アデノウイルス(ADV)、単純ヘルペスウイルスなどによってもおこります。発熱が長引き、肝障害や衰弱がみられると、大変きつい感染症です。

EBウイルスは感染後、唾液に長く分泌されるため、外国ではキスで感染が広がり「キス病」とも言われていました。日本ではあまり考えられません。

潜伏期間は約1か月で、1週間以上続く発熱、リンパ節腫大、扁桃腺炎、肝臓や脾臓の腫れ、発疹症、眼の腫れなどなどみられます。

血液検査で特徴的なものはなく、白血球が増え、発熱の割にはCRP(感染症のデータ)がさほど上昇しません。一方で白血球の中で異形リンパ球が増えたり、肝機能障害で診断することがあります。血液でEBウイルスの抗体価を測定することもあります。迅速検査はありませんが、自費でEBウイルスのPCR検査の提出も可能です。

治療法はなく、基本的に自然に熱が下がる良好な病気です。発熱や疲労感が長く続くため、体力をしっかりつけながら、解熱剤や症状を抑える薬を併用していきます。

特にEBウイルスの場合には、様々な合併症があります。神経領域では脳炎や脊髄炎、神経炎などがあり、その他にも心筋炎、貧血、血小板減少、腎炎があります。悪性疾患との関連もあり。慢性活動性EBウイルス感染症やリンパ腫や上咽頭がんの原因とも言われています。

・伝染性単核症には、以下の対応が必要です。

1.高熱が長く続きますので、解熱剤を使用しながら、水分、栄養をしっかりとって、脱水や衰弱を予防しましょう。

2.のどが痛いため、食欲がありません。冷たいもの、柔らかいものなど、のどに通りやすいものをあげましょう。

3.元気がないときには、お医者さんに相談をしてください。

4.熱が下がり、元気になり、食欲がもどれば登園、登校ができます。