ご近所とのお別れ

クリニック予定地のお話です。

クリニックは実家の敷地に建設予定です。ご近所では、お隣にはご婦人が住んでおられ、この方とは長くお付き合いさせていただいており、この地域を長く見守られてきた方です。クリニックを計画するにあたり、当初からお隣の土地の使用について、ご相談させてもらっていました。

ご婦人からお話を伺うと、以前にも私の父が土地を譲ってもらえないかと頼んだことがあったそうです。昨年その父が亡くなり、実家のことを気に留めてくださっていた中、私が相談をしたことで「この地域の子供のためになるのでしたら」と、家土地を譲ってもらうこととなりました。

6月から引っ越し準備をしていただき、9月のシルバーウィークに、ご婦人は「思い出の家」を出ていかれました。そして10月に隣家の工事を始めるころ、実家を訪ねてこられました。母と一緒に、しばらく楽しくお話をしていただきました。私たちが40年前に越してきた以前から、ご婦人はここで暮らしておられました。クリニック予定地には以前何があったのかは以前のブログで書きましたが、それはご婦人から教えていただいた情報です。

今、私が生きているこの街は、私の幼少期過ごした時代からつながっています。そしてご婦人が過ごした時代からの流れでもあって、昔の思い出が、さらに昔のお話とつながり、「あの道はここにつながっていた」「ここにお肉屋さんがあった」と会話のなかで蘇っていました。

ご婦人が実家を後にされる際、ふと目頭を押さえておられました。長く暮らした家や街が、本当に好きであったのだと感じました。ここを去られる気持ちを推し量ると、申し訳ない気持ちになりましたが、「この地域のこどものために頑張ろう」と決意を新たにしました。

私もこの街が大好きです。ここで頑張ります。母も健在ですので、ご婦人、いつでも遊びに来てください。