解熱剤の使い方

子どもの発熱では体を冷やすクーリングなどは、家庭で行うことができます。これについては、以前のブログで述べました。今回は、熱を下げる作用のある解熱剤(げねつざい)について説明をしたいと思います。

まず発熱があっても、子どもが元気で食欲がある場合は、運動や入浴、厚着による体温上昇の可能性もあるため、解熱剤を使用せずに慎重に経過観察することを勧めています。

しかし、発熱によって他の症状(元気がない、頭痛や吐き気、食欲不振など)を伴う場合には、本人も「きつい」と訴えることが多いです。その際、一時的に解熱剤を使用して体温を下げる(“頓用”といいます)ことができます。体温を下げて体が楽な時間を作ったり、楽な時間に水や食事をとることが目的です。

小児で一般的に使用される解熱剤は、アセトアミノフェン(アンヒバ座薬®、アルピニー座薬®、カロナール®など)やイブプロフェン(ブルフェン®など)です。これらは副作用が少なく、痛み止め(鎮痛薬)としても使用できます。成人で使用されるアスピリンなどは、子どもではインフルエンザ脳症やライ症候群を誘発させる可能性があり使用しませんので、注意しましょう。

使い方の目安は、体温38度以上で使用し、6~8時間あけて使用することを勧めています。最短で4時間あければ使用できますが、何回も使用する場合は注意してください。重い病気の時がありますし、多量のアセトアミノフェンは肝臓の障害をひきおこします。

「お尻から挿入する座薬が良いですか?内服が良いですか?」と親御様によく聞かれます。アセトアミノフェンの効く時間は、座薬の1.6時間に比べ、内服の場合が0.4~0.8時間と早いです。座薬は乳児で使用することが多く、優しくゆっくりと効いてくる印象です。お薬を飲むことができる子で、早く効かせたい場合は内服が良いと思います。

子どもの発熱は夜に多いですね。病院から処方された解熱剤がない場合は、これら解熱剤はドラッグストアでも購入することができます。一時的な対応として、解熱剤を使用することは結構ですが、発熱以外の症状が出現したり、高熱が長く、本人も消耗している場合は、お医者さんに相談してください。熱型表(以前のブログ)を記録していただくと、お子さんの状態が大変わかりやすいです。